NEDA摂食障害啓発ウィーク「NEDAwareness Week」

摂食障害に悩む本人と家族を支援するアメリカの非営利団体 The National Eating Disorders Association (NEDA) が、2015年2月22日〜28日まで「NEDAwareness Week」と題して摂食障害啓発キャンペーンを行っています。

2015年のテーマは「I HAD NO IDEA」。早期介入の重要性と、摂食障害を引き起こす原因となる、さまざまな事柄について紹介しています。摂食障害は、早期の段階でサポートを受けることが、回復への近道と言われています。自分や周囲の人が摂食障害に罹っているかどうかを見分けるスクリーニングサイト(http://mybodyscreening.org/)も登場しました。

摂食障害について正しい情報を知り、小さなサインを見逃さない。もしも自分や周囲の人が摂食障害だと思ったら、早い段階で周囲のサポートを求める。日本でも啓発・予防活動の広がりが期待されます。

以下、NEDAwarenessのサイトを、林のコメントを含めて意訳しました。
日本でも摂食障害の啓発活動を進めるためのヒントが満載です。

(引用はすべてThe National Eating Disorders Association (NEDA) サイトより。画像は同サイトのマテリアルを利用しています)

◉2月22日 メディア・リテラシー

NEDAwareness_2015_Shareable_Illusions
メディアが発信するボディメッセージの危険性に警鐘を鳴らしています。デジタル・イリュージョン(日本でも“フォトショ美人”なる言葉がありますが)による完璧なボディイメージの追及、太っている=自己管理が足りないという隠されたメッセージ、ダイエットの流行……。摂食障害の背景には複雑な要因が絡まっていますが、メディアから無自覚に受け止めているメッセージが摂食障害を蔓延させる原因になっているのではないでしょうか?

◉2月23日 取り残された声

NEDAwareness_2015_Shareable_Diversity
日本では、摂食障害は若い女性がかかる病気だという思い込みがまだまだ多いようです。しかし、人種や年齢、ジェンダーやセクシュアリティに関係なく、誰もが罹る病気なのです。

◉2月24日 アスリートと摂食障害

NEDAwareness_2015_Shareable_Athletes
スポーツ選手も摂食障害に罹るリスクがあります。マラソン、フィギュアスケート、バレエ、レスリング、ボディビルなどの競技において、より早く、より美しく、と、競技結果を追及する過程でボディイメージと食事制限の問題に巻き込まれてしまうのです。選手はもちろん、コーチやトレーナーにも摂食障害について知っていただきたいと思います。

◉2月25日 若年層といじめ

NEDAwareness_2015_Shareable_Bullying
NEDAによると、摂食障害患者のうち65%の人が、直接的もしくは間接的に原因となったのは「いじめ」だと回答しています。いじめによって損なわれた自尊感情は、摂食障害の引き金になり得るのです。

◉2月26日 ダイエットと摂食障害

NEDAwareness_2015_Shareable_Diet
健康を追い求めるがゆえに、摂食障害にかかる人もいるのです。ダイエットはもちろん、近年は、体にいいもの、安全なものだけを追求する強迫観念が引き起こす「オルトレキシア」が注目を集めています。果たして良い食べ物、悪い食べ物など、あるのでしょうか?

◉2月27日 医療関係者

NEDAwareness_2015_Shareable_Doctor
残念ながら、医師や医療専門家のすべてが摂食障害に詳しいとは限らないのです。医師によっては、摂食障害のサインを見逃したり、誤診するケースもあります。一般市民だけでなく、医療関係者にも摂食障害に関する正しい情報を広げなければなりません。

◉2月28日 家族

NEDAwareness_2015_Shareable_Parents
家族が摂食障害の原因だと言われた時代は終わりました。家族は、子どもの回復を助ける中心的な存在です。治療と回復の過程でご家族が経験したこと、例えば、医療者や支援者から聞いた最高のアドバイスはどのようなものだったか、家族自身を勇気づけ、心をケアするためにどのようなことが役立ったかなどを伝える機会があれば、同じような悩みを持つご家族を勇気づけることができるはずです。ご家族の経験と知恵を共有する機会が、日本でも多く広まることを期待しています。