海外ニュース:摂食障害予防の鍵は「自尊感情」と「自己成長主導性」の育成か

Lenny R. Vartanian博士、Joshua M. Smyth博士ら研究グループが、摂食障害と早期逆境(*1)の関連性を研究。環境適応に悪影響を及ぼす体験を持つ者に対して「自尊感情(*2)」と「自己成長主導性(*3)」を育むことが摂食障害の予防に繋がるのではないかと、摂食障害研究の国際学術誌『INTERNATIONAL JOURNAL OF EATING DISORDERS』で発表した。

調査は女子大学生748名を対象に実施。初期の逆境体験と、個人の資質(自尊感情と自己成長主導性)、対人関係を円滑にする資質(感謝*4とソーシャルサポート*5)、身体イメージ、摂食障害、減量運動との関連性を調べた。

その結果、早期逆境は個人の資質と対人資質にネガティブな影響を与えると発表。とりわけ自尊感情と自己成長主導性が低くなると、身体イメージに対する不満を抱き、摂食障害に繋がりやすいという。

幼少期に環境(状況、他者、集団)への不適応を招く体験をすると、感情や気分の安定、自己肯定感、自己効力感、ポジティブな周囲からの評価(認識)を得ることが難しくなるといわれている。今回の研究では、自尊感情と自己成長主導性を改善できれば、歪んだボディイメージを抱くリスクを減らし、摂食障害を防げるのではないかと提言している。

参照:
Vartanian, L. R., Smyth, J. M., Zawadzki, M. J., Heron, K. E. and Coleman, S. R.M. (2014), Early adversity, personal resources, body dissatisfaction, and disordered eating. Int. J. Eat. Disord.. doi: 10.1002/eat.22313
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/eat.22313/abstract

用語解説:
*1
逆境(adversity)
適応に顕著なネガティブな影響や破壊的な影響をもつと予想される(あるいは観察される)持続的あるいは反復的な体験、通常は複数のストレッサーが関与している。
引用:庄司順一『人間福祉学研究 第2巻第1号 2009.11 p40』
*2
自尊感情(self-esteem)
自分自身を全体として肯定的に評価することであり、人間が心理的に充分に機能するための基盤を支えるもの
引用:『心理学』有斐閣 p. 330
*3
自己成長主導性(personal growth initiative)
自分自身で己の成長と変化を促す性質。自分で自分を高める力。
*4
感謝(gratitude)
他者から直接支援を受けた個人が経験する、“ありがたい”などの肯定的感情
引用:Tsang,J.A Gratitude for small and large favors:A behavioral test.The Journal of Positive Psychology,2,157-167
*5
ソーシャルサポート(social support)
社会的関係の中でやりとりされる支援。周囲の人からの支え。健康行動の維持やストレッサーの影響を緩和する働きがある。
引用:厚生労働省 e-ヘルスネット
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-067.html

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